F-35とは?日本が導入する最新ステルス戦闘機を徹底解説

f35_stealth_fighter_jasdf(※画像はイメージ・AI生成コンセプトアートです)

📌 結論・ポイント(3行要約)

  • 計147機の大規模導入:航空自衛隊は通常離着陸型のF-35Aを105機、短距離離陸・垂直着陸型のF-35Bを42機、計147機を導入する計画。老朽化したF-4やF-15の一部を置き換える。
  • 配備基地が広がる:F-35Aは三沢基地(青森県)に続き、2025年4月に小松基地(石川県)へ配備。F-35Bは2025年8月、新田原基地(宮崎県)に最初の3機が到着した。
  • いずも型との組み合わせ:F-35Bは、空母のような運用ができるよう改修中の護衛艦「いずも」「かが」から発着艦できる。一方で、円安や物価上昇で取得単価は上昇傾向にある。
目次

1. F-35とは

F-35「ライトニングII」は、米ロッキード・マーティン社を中心に、米国と同盟国が共同で開発した第5世代のステルス戦闘機です。レーダーに映りにくい機体形状に加え、機体の各種センサーが集めた情報を統合してパイロットに提示する「センサー・フュージョン」の能力を持ち、周囲の状況を素早く把握できる点が最大の特徴です。

用途に応じて3つの型があります。通常の滑走路から離着陸するA型、短い距離で離陸し垂直に着陸できるB型、空母の発艦・着艦装置を使うC型です。航空自衛隊はこのうちA型とB型を導入しています。

2. 日本の導入の経緯

日本政府は2011年12月、老朽化したF-4EJ改の後継機(F-X)としてF-35Aを42機導入することを決めました。その後、2018年12月の防衛計画の大綱・中期防衛力整備計画で、近代化改修に適さないF-15の一部を置き換えるため、F-35Aを63機、F-35Bを42機追加取得する方針が示され、計画は合計147機になりました。

F-35Aの多くは、三菱重工業の小牧南工場(愛知県)にある最終組立・検査施設(FACO)で組み立てられてきました。米国から完成機を輸入する方式に比べて国内の整備基盤を維持しやすい一方、費用が割高になるとの指摘もあり、取得方法は年度ごとに見直されています。

3. F-35AとF-35Bの違い

【表1】航空自衛隊のF-35AとF-35B

項目 F-35A F-35B
離着陸方式 通常の滑走路で離着陸 短距離離陸・垂直着陸(STOVL)
取得予定数 105機 42機
主な配備先 三沢基地(第3航空団)、小松基地(第6航空団) 新田原基地(宮崎県)、護衛艦「いずも」「かが」での運用
戦闘行動半径の目安 約1,100km 約830km(垂直着陸用のリフトファンを積む分、燃料搭載量が少ない)
機関砲 25mm機関砲を内蔵 内蔵せず(外付けポッドで対応)

4. 配備の状況

F-35A:三沢から小松へ

F-35Aは2018年に三沢基地で臨時の飛行隊が編成され、その後、第3航空団の飛行隊として国内での運用が始まりました。2025年4月1日には小松基地に3機が到着し、国内2か所目の配備基地となりました。報道によると、小松基地では2025年度中に7機、3年ほどで20機を配備して飛行隊を新編し、最終的には同基地の2個飛行隊のF-15をF-35Aに置き換えて40機程度を配置する計画です。

F-35B:新田原と「いずも」「かが」

2025年8月7日、臨時F-35B飛行隊に配備されるF-35Bの最初の3機が新田原基地に到着しました。F-35Bは、空母のように運用できるよう改修中の護衛艦「いずも」「かが」に搭載することが想定されています。滑走路が限られる南西地域の島々や洋上でも戦闘機を展開できるようにするのが狙いです。

5. 予算と取得単価の推移

財務省・防衛省の予算資料によると、近年のF-35の取得費は次のとおりです。B型の取得数は2025年度以降、年3機に減っています。円安や物価の上昇もあり、1機あたりの金額は上昇傾向にあります。

【表2】F-35の年度別取得予算

年度 F-35A F-35B 1機あたりの目安
2023年度 8機:1,069億円 8機:1,435億円 A 約134億円/B 約179億円
2024年度 8機:1,120億円 7機:1,282億円 A 約140億円/B 約183億円
2025年度 8機:1,387億円 3機:665億円 A 約173億円/B 約222億円
2026年度 8機:1,493億円 3機:725億円 A 約187億円/B 約242億円

※1機あたりの目安は、計上額を機数で割った単純計算です。予算額には機体以外の関連経費が含まれる場合があります。

6. 主な論点

導入を進める側の主な主張

  • 南西地域の防衛:F-35Bは短い滑走路や護衛艦からも運用でき、滑走路が使えなくなった場合の備えにもなる。
  • 同盟国との連携:米国、英国、オーストラリア、韓国など多くの国が同じ機体を使っており、共同での運用や部品の融通がしやすい。
  • 周辺国の新型機への対応:周辺国が第5世代戦闘機を増やすなか、航空優勢を保つために欠かせない。

課題・懸念

  • 価格の変動:米国政府を通じた有償援助(FMS)で調達するため、価格は米国の決定や為替の影響を受けやすい。
  • 維持費:ステルス性能を保つ整備や部品調達などで、運用・維持の費用が大きい。
  • 「空母」をめぐる議論:いずも型の改修とF-35Bの組み合わせが、憲法上保有できないとされる「攻撃型空母」に当たらないかが国会で議論された。政府は、常時戦闘機を搭載する運用は想定しておらず、攻撃型空母には当たらないと説明している。

7. 関連装備・政策へのリンク

8. 公的出典・参考資料

  • 財務省「令和8年度 防衛関係予算について」(mof.go.jp)
  • 財務省「令和7年度 防衛関係予算について」(mof.go.jp)
  • 財務省「令和6年度防衛関係予算のポイント」(mof.go.jp)
  • 防衛省「我が国の防衛と予算 令和5年度予算の概要」(mod.go.jp)
  • 航空自衛隊 公式X(2025年8月7日、F-35Bの新田原基地到着)(x.com/JASDF_PAO)
  • 乗りものニュース「来たぞ約40年ぶりの新型機!日本海側で唯一の戦闘機基地に「F-35A」配備」2025年4月3日(trafficnews.jp)
最終更新日:2026-10-12

🛡️ DEFENSE NAVI 編集室(調査・監修)

当解説は、防衛省・防衛装備庁などの公的機関が公表した資料をもとに、DEFENSE NAVI編集室が作成・更新しています。誤りにお気づきの場合は、お問い合わせフォームからお知らせください。

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