F-35とは?日本が導入する最新ステルス戦闘機を徹底解説

f35_stealth_fighter_jasdf(※画像はイメージ・AI生成コンセプトアートです)

📌 結論・ポイント(3行要約)

  • 計147機の大規模調達:通常離着陸型F-35Aを105機、短距離離陸・垂直着陸型F-35Bを42機取得し、自衛隊の防空・洋上防衛の中核を担う。
  • いずも型護衛艦との統合運用:F-35Bは新田原基地(宮崎県)に部隊新編され、事実上の空母化改修を受けた「かが」「いずも」から発着艦を実施。
  • FMS(対外有償軍事援助)と国内生産:米国からの直接調達による為替(円安)影響を受けつつ、三菱重工小牧南工場での最終組立(FACO)およびアジア太平洋MRO&U拠点を運用。
目次

1. F-35戦闘機の概要と自衛隊の導入体制

F-35「ライトニングII」は、米ロッキード・マーティン社が中心となり開発した第5世代ステルス戦闘機です。高いステルス性能、高性能レーダー(APG-81)、各種センサー情報を一元化してパイロットのヘルメットバイザー等に投影する「センサーフュージョン能力」を備え、現代の航空戦における情勢認識(Situational Awareness)を飛躍的に向上させました。

日本政府は、老朽化したF-4EJ改の後継としてF-35Aを42機調達することを2011年に決定。さらに2018年の「防衛計画の大綱」改定において、改修に適さないF-15Pre-MSIP機(約100機)の後継として、F-35Aを63機、F-35Bを42機追加調達することを閣議決定し、総調達機数は147機(米軍に次ぐ世界第2位の調達規模)となっています。

2. 一次資料で見るF-35A/Bの調達・スペック・配備状況

防衛省「防衛力整備計画」および年度別予算概要から集約した公式調達データと配備計画は以下の通りです。

【表1】F-35A と F-35B のスペック・運用比較

項目 F-35A(通常離着陸型) F-35B(短距離離陸・垂直着陸型)
自衛隊調達予定総数 105機 42機(計147機)
主要運用基地・拠点 三沢基地(第3航空団)、小松基地(予定) 新田原基地(臨時部隊新編)、護衛艦「かが」「いずも」
離着陸方式 CTOL(一般滑走路での通常運用) STOVL(短滑走離陸・リフトファンを用いた垂直着陸)
戦闘行動半径 約1,093 km 約833 km(リフトファン搭載による燃料積載量差)
内蔵機関砲 25mm GAU-22/A 固定内蔵 なし(外部ポッド装着にて対応可)

【表2】近年のF-35予算計上実績(防衛省予算概要より)

年度 取得機種・機数 計上予算額 1機当たり平均本体取得費(概算)
令和5年度(2023) F-35A: 8機 / F-35B: 8機 2,501億円(関連改修費等含む) F-35A:約125億円 / F-35B:約143億円
令和6年度(2024) F-35A: 8機 / F-35B: 7機 2,404億円 F-35A:約140億円 / F-35B:約170億円
令和7年度(2025概算) F-35A: 8機 / F-35B: 3機 1,757億円(要求ベース) 円安進行・物価上昇による調達単価上昇を反映

3. 争点・政策論点の整理(賛否両論と国会答弁)

導入・配備推進側の論点

  • 南西諸島の洋上防衛ギャップ解消:滑走路が破壊された離島や飛行場のない海域でも、護衛艦や短い滑走路からF-35Bを展開可能。
  • 日米・多国間相互運用性:米海兵隊・米空軍、英軍、韓国空軍等と同一機種を運用し、戦術データリンク(MADL)でリアルタイム連携。
  • 抑止力の質的向上:周辺国の第5世代機(J-20、Su-57等)の増勢に対抗する不可欠な戦力。

課題・懸念側の論点

  • FMS特有の価格変動と為替リスク:対米調達方式(FMS)は米国政府の決定価格に従う義務があり、近年の円安により円建て調達費用が大幅に膨張。
  • 運用維持費(ライフサイクルコスト)の高さ:ステルスコーティングの維持、専用整備機器の米国依存など、維持管理費が防衛予算を圧迫する懸念。
  • 「空母保有」をめぐる専守防衛論争:いずも型改修とF-35Bの組み合わせが、憲法上保持できない「攻撃型空母」に該当しないかとの批判。

4. 関連装備・政策へのリンク

5. 公的出典・検証資料一覧

  • 防衛省「防衛力整備計画(主要装備品の整備規模)」(mod.go.jp)
  • 防衛省「我が国の防衛と予算(令和6年度予算の概要)」p.18「航空自衛隊の防衛力強化」(PDF)
  • 米国防安全保障協力局(DSCA)”Japan – F-35 Joint Strike Fighter Aircraft” 公式承認(dsca.mil)
最終更新日:2026-09-13

🛡️ DEFENSE NAVI 編集室(調査・監修)

当解説は、防衛省・防衛装備庁などの公的機関が公表した資料をもとに、DEFENSE NAVI編集室が作成・更新しています。誤りにお気づきの場合は、お問い合わせフォームからお知らせください。

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